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受験勉強中

南相馬市小高区の帰還支援ハッカソンに行ってきた

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南相馬市小高区にて開催された帰還支援ハッカソンに参加してきました。土日を使って1泊2日での開催となります。

イベントページはこちら

背景

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小高区は今年4月を目処に避難指示解除を迎えることになっていて、小高の外に避難している住民の帰還が予想されます。 しかし、線量や働く場所などの問題により、避難指示が解除されても帰還を踏みとどまるという人が多いそうです(詳細は下記の帰還意向調査をご覧ください)。

小高区帰還意向調査

今回のハッカソンは、小高への帰還をテクノロジーの力でサポートしたいということで開催されました。

チーム編成

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南相馬市小高区へは会津若松市会津大学からバスで3時間ほど。小高駅前の双葉屋旅館というところでハッカソンが行われます。 ちなみに、今回のハッカソン中に双葉屋旅館の部屋の中でストリートビューを撮影してみたので、興味があればご覧くださいませ(めっちゃ顔写ってるけどモザイクかかったりしないのかな?)

https://goo.gl/maps/NgwzVdDWD1o

Google Japan Blog: あなたのお気に入りの景色を、ストリートビューに

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双葉屋旅館に到着した時は既に11時半くらい。つつがなく基調講演やルール説明が行われ、チーム編成の前にひとまず昼食をとります。
昼食として配布されたのは、地元小高商業高校の生徒がメニューを考えたというお弁当。ローソンで売っているらしいです。ウマイ!

福島)小高商業高が弁当開発 ローソンで16日から発売:朝日新聞デジタル

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さてチーム編成ですが、どうやら事前にアイデアソンが行われていたようで、20個ほどのアイデアが用意されていました。 自分はその中でも「田舎の信用保証、信用づくりのきっかけ」というアイデアが目に止まりました。

田舎の信用保証は地域住民のネットワークで行われていて「あそこの○○さんは消防団に入ってるから大丈夫」といった地域ローカルな強い信頼関係がある一方で、移住者などいわゆるよそ者に対する目は厳しくなりがちです。 県外避難から戻ってきた人や、被災地の外からやってきた除染作業員などの方々は、そういった信頼のネットワークにうまく受け入れられずに大変な思いをしているということでした。

こんな生々しい問題を果たしてテクノロジーで解決できるのだろうか?というのは自分にとって大きなチャレンジだと思ったので、とりあえず飛び込んでみることにしました。 最終的には「土地・場所時間貸しアプリ」というアイデアと一緒に4人チームで進めることになります。

チーム名は「プロジェクトおだかびと」!なんとなく結束感がある名前です。

ブレーンストーミング

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南相馬市では、空き地・空き家バンクというサービスを行政が提供していて、地域の空き家の売買・賃貸情報を公開しています。

空き家・空き地バンク登録物件一覧 - 南相馬市

しかし、実際は様々な問題があってうまく利用されていないのが現状なのだそうです。 一番フォーカスしたのは「隣の空き家がよそ者に貸し出されるのは不安」という問題。地元の方々からすると、借り手に対する不安がどうしてもあるみたいです。

それでも住居の売買・賃貸のニーズは確実にあって、なんとか不安を解消したい。これをテクノロジーでどう解決するのか?
話し合いを進める中で見えてきたのは、借り手の信頼度を可視化できれば不安が解消できるのではないか?ということでした。 たとえ小高に移住してきたばかりの人でも、地元の有力者とつながりがあれば信頼度は高まるでしょうし、地域の活動をたくさんこなしている人は信頼度が高いはずです。

そうして実装アイデアとしてまとまったのが「おだかびとカード」というものです。
おだかびとカードは、小高での信頼度をポイントとして貯めるポイントカードのようなもの。それだけでなく、小高の住民としての証明にもなるため色々な行政サービスを受けられることもできます。 このカードを行政から発行してもらえれば、空き家の賃貸に限らず信頼度にまつわる問題を一気に解決できるのではないかと考えました。

開発

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開発を行ったの大きく分けて下記の2点。簡単に技術的なポイントを書いておきます。

  • おだかびとカード自体のシステムのプロトタイプ
  • おだかびとカードを利用した空き家バンクのプロトタイプ

おだかびとカード自体のシステムのプロトタイプ

おだかびとカードには、所有者が小高で行った活動履歴が記録されていきます。例えば「消防団に入った」「側溝の掃除をした」「地元のイベントに参加した」などなど。 これら一つ一つの活動履歴は信頼の基盤となるものですから、データに改ざんがあったりしてはいけません。

ということで今回は、ブロックチェーンのデータベースを利用して活動履歴の記録をしてみました。 (一応ソースコードGitHubで公開していますが、cloneしてそのままパッと動くというわけではないのであしからず、、)

BigchainDB • • The scalable blockchain database.

odaka-passport/server at master · oimou/odaka-passport

ブロックチェーンのデータベースを使って何かを実装するのは初めてだったので不明点が多く、色々と調べながらの実装になってしまいました。 そのためあまりプレゼンに役立つアウトプットができなかったので、チームメンバーの皆さんには申し訳ない気分です...orz

おだかびとカードを利用した空き家バンクのプロトタイプ

南相馬市の空き家バンクを参考に、おだかびとカードのユースケースのひとつを実証してみようということで開発を行いました。 こちらはチームメンバーのエンジニア山田さんにお任せすることにし、RailsをベースにWebSocketなどを用いて開発していただきました。

おだかびとカードを使って空き家バンクを利用するというデモができ、ひとつの具体的な可能性を示すことができたのかなと思います。 (プレゼンの様子は後ほどYouTubeで公開されるそうなので、お楽しみに?)

ちなみに、プレゼンの際は双葉屋旅館の隣の「小高ワーカーズベース」の内見デモを行いました。デモでお見せした施設内のストリートビューがこちらです。

https://goo.gl/maps/mjkzviesK912

プレゼン

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ハッカソン2日目のプレゼン、自分たちのチームは2番手でした。
会場には地元のおじいちゃんおばあちゃんなど住民の皆さんも集まってきており、普段参加するハッカソンとはかなり雰囲気が違いました。アットホームな感じというのかな。

プレゼンはチームメンバーの長田さん・寺山さん・山田さんにお願いしました。 自分は質疑応答で技術的なポイントに回答できると良いかなと思っていましたが、残念ながらあまり質疑応答の時間がなく回答ができませんでした、ちょっと残念。。

最終的に自分たちのチームは「及川賞」ということでIncrements 及川卓也さんから賞をいただきました! 発表された瞬間、チーム一同が喜びに沸いたのをハッキリ覚えていますw

他のチームの発表で気になったのは、パラリーガルのAIをテーマにしていたHack for Low(Lawではない)のプロダクト。 自分たちは行政系のテーマに取り組んでいるので、実現していくうえでは法制度の問題をクリアにしていかないといけません。そんなときにパラリーガル的な存在がいてくれると非常に助かるなあと思いました。

まとめ

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小高に訪れたのは今回が初めてでしたが、地元で頑張っている方々の強いつながりが感じられました。さっきアットホームと書きましたが、普段とは違う不思議な楽しさのあるハッカソンだったと思います。 まさにプロダクトのエンドユーザになるであろう方々と直接触れ合いながら、問題意識をリアルに共有することができる、すばらしい機会でした!